2月14日はバラの花を

ある新聞社が、バレンタインデーに本当にあった話を募集しました。新聞社にたくさんの手紙が届きました。その中からスーザン・パーカーの話が選ばれて、その年の2月14日の新聞で紹介されました。さて、それはどんな話でしょうか。

結婚してから約50年たった頃、夫のジョンが亡くなりました。夫は亡くなるその日まで私に優しくしてくれました。私たちは、まるで親友のように過ごしていました。一緒に映画を見に行ったり、近所を散歩したりするのが大好きでした。夫は歩くとき、いつも私と手をつないでくれて、いつも幸せな気分にしてくれました。

2月14日のバレンタインデーには、毎年、夫は街の花屋に寄って、12本のバラの花束を買ってくれました。バラの花束には「昨日よりも今日、もっと君を愛しているよ」と書いてあるカードが必ず入っていました。

そしてある日突然、夫は旅立ちました。子どもたちが家に帰って来てくれて、しばらくの間は私のそばにいてくれました。しかし、数週間後にはそれぞれの家庭や仕事に戻って行きました。私は独りぼっちになりましたが、夫がいなくても生きていけるように努力しました。

独りぼっちで迎える最初のバレンタインデーがやってきました。 そろそろお昼ご飯の支度をしようと思ったとき、玄関のチャイムが鳴りました。ドアを開けると、街の花屋さんが花束を持って立っていました。花屋さんはバラの花束と小さなカードを差し出して「ご主人からです」と言ったのです。私は驚きました。そして、次の瞬間、怒りを感じました。

私は冷静に「これは何かの冗談ですか? だったら、ずいぶん悪い冗談だと思いませんか?」と言いました。すると、花屋さんは「いいえ、冗談ではありません」と言いました。そして、こう言ったのです。

「ご主人はお客様になる前にお店にいらっしゃって、バレンタインデーに、毎年、必ず奥様に12本のバラの花束をお届けするようにと、バラの代金を何年分も前払いなさったのです」

私はバラの花束とカードを受け取りました。カードにはこう書かれていました。 「昨日よりも今日、もっと君を愛しているよ」